こんな人が書いた記事です
- 30代・眼科専門医
- 常勤医の頃、仕事と子育ての両立に苦戦
- 2023年4月よりフリーランス医になり1年
- 3歳子育て中
目次
フリーランス医になり1年が経ちました
1年あっという間に過ぎました。
常勤医の頃は子育てと仕事の両立に本当に苦戦し【両立】という言葉とは程遠い毎日。
試行錯誤の末、働き方を変え早1年経ちます。
思い切って働き方を変えフリーランス医になってみてどうだったか?率直な感想をまとめてみようと思います。
- こんな人に役立つ記事です
- 子育てと仕事の両立に悩む女性医師
- フリーランス医へ転職を考えている人
フリーランス医としてどんな働き方をしていたか?
週5日勤務ですが、午前のみの勤務が週3日、1日勤務が週2日という勤務日程で過ごしました。
午後がフリーになる日があるので家事育児にも十分時間を充てることができます。
率直な感想としては、子育てと両立するためにすごく良い働き方。
常勤として働いていた頃は、週6-7日勤務で常に時間に追われ体力的にも精神的にも疲弊していましたが
働き方を変えた後は子供と一緒に居られる時間が増えましたし、仕事・家事・育児全て心にゆとりを持って日々生活できるようになりました。
フリーランス医に実際転職してみて感じたメリット・デメリット
次に実際過ごしてみて感じたフリーランス医のメリット・デメリットをご紹介します。
メリット1:自由時間が増える
最大のメリットは自由時間が増えること。
何曜日にどれくらい自由時間を確保したいのか?自分で決められます。
私の場合は
- 「子供の保育園の通園日数や時間を減らしたい。」
- 「子供に習い事をさせてあげたい。」
- 「もう少し余裕を持って育児をしたい。」
という願望があったので、この1年間はこのすべての希望を叶えることができました。
育児以外にも、介護・趣味・開業準備など日々の業務以外に時間を使いたい医師もいると思います。
そのような医師にとってはフリーランスの働き方は自由度が高く大変おすすめだと思います。
メリット2:業務内容を選択できる
診療や手術など患者さんの病気を治す仕事は大変やりがいを感じ、全く苦に感じませんでしたが
常勤医の頃は正直やりたくない業務に膨大な時間を割いていました。
- 病院運営に関わる会議への出席
- 病院運営に関わる雑用
- 研究
- 学会発表
出勤してから子供のお迎えまでの業務時間が限られているにも関わらず、診療以外の業務が膨大で両立に苦戦していた面もありました。(診療以外も大切な業務であることは理解していますが。。。)
自宅で仕事したり、土日に出勤して済ませたりしていました。
フリーランス医に働き方を変え、これら診療以外の業務に割く時間は激減します。
加えて、勤務する病院での診療内容も外来のみ、手術のみ、処置のみなど診療の内容も自分で選択することが可能です。
メリット3:収入が増える
働く時間は減っても収入は増えました。
常勤医の頃は、基本給が非常に薄給でしたし、保育園へのお迎えがある都合で時間外業務も多くはできません。
フリーランス医は時給が補償されるため、ボーナス等は支給されませんが常勤より給与は増えました。
給与アップを目的としてフリーランスに転職する医師も多い理由は大変納得です。
デメリット1:社会保障が薄い
事前に分かっていた点ではありますが、ここは大きなデメリットになります。
具体的には
- 社会保険料の負担額が増える
- 出産・病気・介護時の金銭的な補償がない
- 厚生年金への加入ができない
社会保険は国民健康保険または医師国保の加入が基本となります。
保険料の金額が増えるだけでなく、扶養家族分も保険料を負担する必要があり家族構成によっては注意が必要です。
加入する社会保険や地域によっても異なりますが、社会保障の負担は常勤時代の2-3倍もの負担増に。
一方で、加入者が出産・病気・介護する場合の金銭的な補償がに薄くなります。
加えて厚生年金にも加入できないので、老後の年金も自分で備える必要があります。
今後、出産・介護の予定がある人や病気リスクが大きい場合など「社会補償が厚い方が安心」と考える場合は避けると良いでしょう。
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デメリット2:所属先がない心細さ
常勤医の頃は、全く意識しなかった部分でありフリーランスになり初めて感じたデメリットです。
具体的にこんな場面があります。
- 学会出席時に所属の記載に困る
- 訴訟などのトラブルが起こらないか不安
- フリーランス医にネガティブな印象を持つ医師もいる
所属先の記載など小さなことから、万が一医療訴訟等が起こった場合など大きなことまで。
大きなトラブルへの備えとしては、必ず医師賠償責任保険への加入や補償内容を確認することが重要です。
まだまだ少数派であるフリーランスという働き方であるため、先輩医師の中にはネガティブな印象を持つ医師もいました。
こんな声がかかることもありましたが、どんな働き方をしたいか?決めるのは自分自身。
どんな働き方にもメリット・デメリットが存在するため、人によって適切な働き方は異なると思いました。
デメリット3:将来性が不透明
フリーランス医の働き方は実際経験してみてすごく良い働き方だと思います。
しかし、こんな理由から将来性が不透明であることは事実だと思います。
- 医師の働き方改革
- 診療報酬の引き下げ
- 2029年以降に医師供給過剰になる可能性
2024年4月より医師の長時間労働の削減や医療の質の維持を目的に医師の働き方改革がスタートし、常勤医師の非常勤勤務やアルバイトが制限されることが予想されます。
病院側は医師の給与補填を行うため、非常勤医師の削減などの対応を行う可能性があります。
また診療報酬は下がる一方で、2029年以降医師が過剰になることも予想がされており今後も現在と同様の待遇で働き続けられるかは分かりません。
いずれにせよ、どのような影響が出るかまだまだ不明な部分が多いです。
この様な影響が出た場合、自分自身が困らないように以下の点を意識して行きたいと思っています。
働き方を変え、子育てへの影響
私自身は働き方を変えた1番の理由は子育てでした。
そこで働き方を変えて子供にはどんな影響を与えたか?ご紹介します。
(注意:あくまで個人的な意見です)
影響1:精神的に安定した
- 保育園に通園する日数・時間の短縮ができた
- 母親と過ごせる時間が増えた
常勤の時は週5-6日・1日10時間ほど保育園にお世話になっており、親子共々、体力の限界だったのだと思います。
フリーランス医に働き方を変えてからは、週5日・1日8時間に通園時間が短縮しました。
母親と過ごせる時間も増え、親子でゆっくり会話したり活動する時間も確保できるように。
子供も不機嫌になる時間が減り、親側も育児に向き合う時間が増えたことがお互いの精神的な安定につながったのでは?と思います。
通園日数・時間を短縮したことが全てだとは思いませんが少なからず大きな影響がありました。
影響2:習い事に通える
- 常勤医の頃:体操週1回、休むことも多々
- 現在:体操・英語・リトミック週3日、ほぼ休まず
常勤医の頃も、習い事通っていました。
しかし、疲れや不機嫌で休むことも多々ありました。
常勤医の頃、限られた休日に体操教室も通える範囲で通っていました。
しかし、「子供も休みの日は自宅でゆっくり過ごしたい。」と思うのは当然。
体操は大好きでしたが、疲れが溜まって休むことも多々。
フリーランス医になってからは、平日を活用することで習い事の数も増やし積極的に通えるようになりました。
影響3:興味が広がった
常勤医の頃は日々の生活を過ごすので精一杯。
時間の余裕が全くなく、季節の行事を祝ったり、自宅で料理や遊びなどを取り入れることが出来ませんでした。
時間の余裕が得られたことで、お正月・お雛祭りなど季節のお祝いをしたり、季節のお花や遊びを一緒に取り組んでみたり。
日々の過ごし方で子供の興味はこんなにも広がるということを実感しました。
フリーランス医の働き方をどんな人におすすめしたいか?
フリーランス医は時間や業務内容など自由度が非常に高く、高給与も得られるとても良い働き方です。
しかしデメリットもあるため、十分理解した上で転職するべきだと思います。
メリット・デメリットを考慮すると、すべての医師におすすめはできず下記の様な人におすすめな働き方です。
まとめ
- フリーランス医は育児・介護・開業準備などと両立しやすい
- 社会保障や将来性などのデメリットもある
- 働き方を変えると子育てにも大きく影響する
- すべての医師におすすめできる働き方ではない
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