
医師のバイトの給与が下がった



医師の給与が今後確実に下がる
——SNSで昨今話題になっていますね。
物価は上昇を続け、2年に一度の診療報酬改定のたびに病院経営は厳しさを増しています。
さらに日本の人口は年々減少し、将来的な患者数の減少は避けられません。
特に、時短勤務や当直免除などで働き方に制約がある女医ママにとって、この変化は他人事ではありません。
ただでさえ医師の給与が上がりにくい立場にあるからこそ、この先の下降トレンドは大きな打撃になりかねないのです。



もし給与が下がったら、どう備えよう?
そんな不安を感じているあなたに向けて、この記事では下記3点についてご紹介します。
- 医師の給与が下がる理由
- 女医ママの取り巻く労働環境の実情
- 今からできる具体的な対策
医師の給与が下がる未来が来る理由
理由1:インフレ&物価高
近年、日本は長らく続いたデフレ状態から一転し、急激な物価上昇に見舞われています。
2026年5月時点で物価上昇率が+1.4%と一時期より落ち着いてきたものの、企業間物価指数は+6.3%と高水準。
企業間での取引でインフレがググッと進んでいます。



クリニック運営のコストが重くなった
と感じている医師が増えているのは、このインフレ&物価高が背景にあります。
運営コストが上昇している中で、医師の給与が上がる未来は見えないわけです。
理由2:診療報酬改訂
医師の給与の原資となる診療報酬は、2年に一度見直されます。
2024年度の改定では、診療報酬本体はプラス0.88%となったものの、薬価・材料費の引き下げを含めた全体改定率はマイナス0.12%と、実質的なマイナス改定でした。
これは6回連続のマイナス改定であり、医療機関の経営環境は年々厳しさを増しています。
実際、診療所経営者を対象にしたアンケート1)では、2023年度から2024年度にかけて「最終利益(自身の給与を含む)が減った」と回答した割合は56%にのぼりました。
特に小児科や産婦人科では「大きく減った」との回答が目立っており、診療科によっては経営への打撃がより大きいことがわかります。
病院の経営が厳しくなれば、当然そこで働く勤務医の給与にもしわ寄せが及びます。
理由3:人口減少
日本の人口減少は、医療業界にとって構造的な問題です。
2025年の出生数は70万5,809人で、10年連続の減少となりました。
少子高齢化が進む中、将来的には患者数そのものが減っていくことが避けられません。
さらに、厚労省の推計によれば、医学部定員が現状のまま推移した場合、早ければ2029年、遅くとも2032年頃には医師の需給が均衡し、その後は医師の供給過剰に転じるとされています。
患者数が減る一方で医師数は増え続ける——このアンバランスが続けば、一人当たりの医師が得られる診療報酬のパイは小さくなり、給与水準の低下につながる可能性は十分にあります。
女医ママを取り巻く労働環境の実情
ここまで見てきた「医師全体の給与が下がる可能性」は、女医ママにとってさらに深刻な意味を持ちます。
なぜなら、女医ママはただでさえ給与が上がりにくい構造的な事情を抱えているからです。


非常勤や時短で給与が下がりやすい
出産や育児を機に、非常勤勤務や時短勤務に切り替える女性医師は少なくありません。
しかし、当直なしや時短勤務を選ぶと、インセンティブや各種手当が減るため、年収は常勤医師の7〜8割程度に抑えられるケースが一般的です。
たとえば、通常であれば1,200万円ほどのポジションが、時短勤務では800万〜900万円程度になることもあります。
働き方を柔軟にすることは、育児との両立のために必要な選択である一方、その分だけ収入が減ってしまうというトレードオフを抱えているのが実情です。
育児しながら働きやすい環境が限定される
院内保育所や時短勤務制度、当直免除制度などを整えている医療機関は増えてきているものの、その数はまだ限られています。
加えて、制度が整っていたとしても制度を活用できない環境や、子育てへの理解が進まない医療現場がまだまだ多いことも大きな問題点と言えます。
結果として、育児と両立しやすい職場を優先せざるを得ず、給与水準よりも働きやすさを基準に勤務先を選ぶ女医ママも少なくありません。
これ自体は決して悪いことではありませんが、「収入を最大化する」という観点では不利になりやすい構造だといえます。
女医ママができる対策3つ
医師全体の給与が下がる可能性がある中で、ただでさえ給与が上がりにくい立場にある女医ママは、意識的に対策を講じていく必要があります。
ここでは、今日から検討できる3つの対策をご紹介します。


1.経営が安定した病院に転職する
同じ労働条件であっても、地域や勤務先の経営状態によって給与水準は大きく変わります。
診療報酬改定の影響を受けやすい診療科・経営基盤が弱い医療機関では、今後さらに給与が下がるリスクがあります。
一方で、地域の中核病院や、自由診療・自費診療の比率が高いクリニック、経営が安定している大規模医療法人などは、比較的給与水準を維持しやすい傾向があります。
転職を検討する際は、単に「時短勤務可」「当直なし」といった条件だけでなく、その医療機関の経営状況まで見極めることが、長期的な収入の安定につながります。
また医師過剰が囁かれる都市部は避け、地方への転職も大きな選択肢。
医師転職を検討する際は、無料で転職サポートや求人紹介が受けられる医師転職エージェントを活用しましょう。


2.収入源を複数作る
一つの勤務先からの給与だけに頼っていると、その病院の経営状況や診療報酬改定の影響をダイレクトに受けてしまいます。
そこで有効なのが、収入源を複数持つという考え方です。
以下、女医ママができる収入源の例です。
- 非常勤で外勤収入
- 産業医
- オンライン診療
- 医療系の執筆・監修
- SNSでの発信業務
- 不動産投資
育児中で長時間労働が難しい女医ママでも、スキマ時間を活用できる働き方であれば、無理なく収入の柱を増やすことができます。
1つの収入源が減っても他でカバーできる状態を作っておくことが、給与低下リスクへの備えになります。




3.資産運用(NISA・iDeCoなど)で給与以外の資産形成をする
給与収入だけに頼らず、資産そのものを育てていくという視点も欠かせません。
NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)といった税制優遇制度を活用すれば、給与から確保した資金を長期的に運用し、将来の教育費や老後資金の土台を作ることができます。
特にNISAは非課税で運用益を受け取れる制度、iDeCoは掛金が所得控除の対象になる制度として、忙しい医師でも取り組みやすい仕組みが整っています。



収入が下がったらどうしよう
と不安を抱えるだけでなく、今の収入があるうちから少しずつ資産形成を始めておくことが、将来の安心につながります。
まとめ
インフレ・物価高、診療報酬改定、人口減少——これらが重なり合うことで、医師の給与を取り巻く環境は決して楽観視できない状況になりつつあります。
そして、時短勤務や当直免除などの制約を抱える女医ママにとって、この変化はより身近でリアルな問題です。
だからこそ、下記3点で対策を取っていくことが重要です。
- 経営が安定した病院に転職する
- 収入源を複数作る
- 資産運用で給与以外の資産形成をする
3つの対策を、できるところから始めてみることが大切です。
将来の不安を「なんとなくの不安」のままにせず、今日からできる一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
参考文献
1)ケアネット 賃金・物価上昇、診療報酬改定が直撃!診療所の経営は?/医師1,000人アンケート 2025/07/25 公開記事より引用(https://www.carenet.com/news/general/carenet/61012)











