
専門医も維持しつつ、子育ても大事に出来る働き方って何だろう?
そう悩むことはありませんか?
女医ママの働き方研究室では、
専門医資格取得や維持をしつつ
子育てにも時間をかける
そんな女性医師の働き方を考察するシリーズです。
今回は眼科編。
眼科は外科系の中でも比較的ライフワークバランスを取りやすいと言われる科。
一方で専門医維持のためのルールを知らないまま働き方を変えると、気づいたときには資格維持が危うくなっていた……というケースも。
この記事では、眼科専門医の取得・維持基準をしっかり押さえながら、子育てとどう両立するかを具体的に解説します。
眼科専門医資格の取得基準
取得基準は以下の通りです(日本眼科学会専門医制度規則第8条より)。
- (1) 日本眼科学会および日本眼科医会の会員であること。
- (2) 学会指定施設において、定められた研修内容により 5年以上の眼科臨床研修を修了した者。あるいは厚生労働省の定める卒後臨床研修(2年間)終了後、指定施設において4年以上眼科臨床を研修した者(卒後臨床研修を含め6年以上の臨床経験が必要)。
- (3) 委員会が行う専門医認定試験に合格した者。
後期研修は最低5年以上必要です。
各領域の専門医制度の中でも研修期間が長い診療科。
専門医試験の難易度は?


直近の合格率を見ると、2021年は66.9%と難易度が高い年もありましたが、それ以降は85〜95%前後で推移しています。
しっかり対策を行えば、子育て中であっても合格できる試験です。
育児の合間の勉強は大変ですが、「試験範囲を絞って効率よく」が合格への鍵。
ぜひ諦めないでください。
眼科専門医資格の維持基準
専門医を取得してからが、じつは長い戦いのはじまり。
更新は5年ごとに行われ、以下の条件を満たす必要があります。
- (1) 専門医認定日から5年間以上、眼科臨床経験を有することを、大学眼科主任教授もしくはこれに準ずる者、または日本眼科医会会長が証明した者。
- (2) 専門医認定日から継続して、日本眼科学会および日本眼科医会の会員であり続けること。
- (3) 専門医認定日から更新基準に定めるところにより、5年間に50単位を取得した者。
- (4) 専門医認定日から5年間に、日本眼科学会総会において学会出席による単位を取得した者。
- (5) 直近1年間の勤務実態の自己申告。
- (6) 診療実績の証明の提出。
- (7) 診療実績の証明・共通講習等を含む、新専門医制度の50単位の取得。
女医ママにとって資格更新のハードルになるのが、(1)。
眼科臨床経験の証明してくれる施設で、週3日以上勤務する必要があります。
- 眼科臨床経験を証明する施設はこの3つ
- 大学または大学関連病院の場合は、大学眼科主任教授
- 日本専門医機構研修施設の場合は、基幹研修施設眼科統括責任者
- 大学または大学関連病院以外の病院、クリニック、診療所の場合は、都道府県眼科医会会長
ポイント: 常勤であれば更新問題なし!非常勤は週3日以上が更新に必要。
単位取得の具体的な方法



50単位って、どうやって集めるの?
疑問に思う方も多いでしょう。
眼科専門医の単位は主に以下の方法で取得できます。
- 日本眼科学会総会・地方学会への参加
- 学術論文の発表・執筆
- 認定講習会・eラーニングの受講
- 勉強会・研修会への参加
子育て中でも参加しやすいのが、近年増加しているオンライン講習会やeラーニングです。
移動時間なく自宅から受講できるため、育児の隙間時間に活用できます。
年間で計画的に単位を積み上げていくことが、更新時のあわてを防ぐコツ。
地道に点数を積み上げれば、子育て中でも問題なくクリア可能です。
子育てを優先する働き方は?



どんな働き方が子育てと専門医取得や維持を両立できるの?
そんな声が聞こえてきそうです。
このブロックでは専門医取得前と取得後に分けて、子育てと専門医取得維持を両立できる働き方を考えていきます。
眼科専門医を取得する前
まず正直にお伝えすると、専門医取得前は、楽な道はありません。
専門医を取得するまでは、原則として常勤として働き続ける必要があります。
指定施設で一定の研修時間・症例数を積まなければならないため、非常勤中心の働き方では要件を満たすことが難しいのが現実です。
強いて言えるアドバイスは一つ。
「育児中は当直のない病院で常勤をすること」
これだけでも、体力的・精神的な負担は大きく変わります。
常勤でありながら当直を免除してもらえる施設や、当直が少ない眼科専門クリニックを選ぶことで、育児との両立がぐっと現実的になります。
眼科専門医を取得した後
専門医を取得すれば、働き方の選択肢が一気に広がります。
ただし、更新のためにはいくつかの条件があります。
① 週3日以上、臨床に従事する必要がある
② 勤務先は大学または日本眼科医会所属のクリニック・病院であること
③ 同一施設での勤務が重要
更新要件には「臨床経験の継続」が含まれており、実質的に週3日以上の臨床勤務が必要とされています。
どこでも働けばよいわけではなく、学会指定施設または日本眼科医会所属の施設での勤務が更新要件を満たすポイントになります。
複数施設を少しずつ掛け持ちするよりも、1つの施設にしっかり軸足を置くことで専門医更新をすることができます。
常勤では問題なく専門医資格の更新が可能ですが、非常勤の場合は工夫が必要。
結論:子育てと両立できる現実的な働き方
専門医取得後の現実的なモデルケースはこちら(ジャン!)
「同一施設での非常勤(週3日)+別施設での非常勤(週1日)」
という週4日勤務がおすすめです。
週7日の割り振り
- 週3日:メインの勤務先(専門医更新要件を満たす)
- 週1日:サブの非常勤(収入の上乗せ)
- 残り3日:子育てや自分の時間に充てる
この働き方であれば、平日に子どもの送迎や学校行事に参加しながら、専門医を維持しつつ安定した収入も得られます。
転職エージェントや医師専門の求人サイトでは「週1日非常勤」「週3日常勤」といった条件での絞り込みができるので、積極的に活用してみてください。


眼科専門医を取得するメリットは?



忙しい子育て中に専門医を維持する意味ってあるの?
と思う方もいるかもしれません。
でも、眼科専門医資格を取得・維持するメリットは確かにあります。
① 患者さんは医師の経歴をしっかり見ている
特にクリニック受診においては、専門医資格の有無を確認してから来院する患者さんも少なくありません。
「眼科専門医」という肩書きは、患者さんからの信頼につながる目に見える実績です。
② 眼科専門医指定の求人に応募できる
クリニックや病院の求人には「眼科専門医必須」という条件がついているものも多くあります。
専門医資格があることで、条件の良い求人・高収入の求人の選択肢が広がります。
子育てがひと段落して仕事量を増やしたいときにも、専門医があると求人の選択肢が増え有利に進められます。
③ 将来の独立・開業にも強みになる
もし将来的に自分のクリニックを持つことを考えているなら、専門医資格は大きな武器になります。
患者集客の面でも、スタッフ採用の面でも、「専門医の院長がいるクリニック」は信頼の基盤になります。
専門医資格を手放す前に考えてほしいこと
実は、専門医資格取得後に、子育てを理由に更新を諦めてしまう女医ママも少なくありません。



お気持ちはよくわかります。
更新要件を満たしながら子育てするのは、確かに大変です。
でも一度手放すと、再取得には再び数年単位の時間と労力がかかります。
「週3日だけでいい」「オンラインで単位が取れる」といった今の制度の柔軟性を最大限活かして、できる限り資格を手放さない選択肢を探してみてください。
まとめ


眼科は、女性医師は多いものの専門医取得後、非常勤だと専門医資格更新条件が厳しい診療科。
あなたのペースで、専門医ママとしてのキャリアを積み上げていきましょう。
このシリーズでは、他の科についても順次情報をお届けしています。ぜひほかの記事もチェックしてみてください!











