朝、子どもの額に手を当てた瞬間。

あ、お熱ありそう。。
その一瞬で、頭の中が一気に忙しくなります。



今日は仕事を休める? 代診は?



また職場に迷惑をかけてしまうかもしれない。
一方で、子どもが最優先。
それは分かっているのに、「仕事をどうするか」を同時に考えてしまう自分にモヤっとしたことはありませんか。
女医ママにとって、突然の子どもの発熱は避けられない悩みです。
この記事では、常勤・非常勤という立場別に、「突然のお熱」にどう向き合ってきたかをまとめました。
今まさに悩んでいるあなたの気持ちが少し軽くなればうれしいです。
なぜ「子どもの急な発熱」は女医ママを追い詰めるのか?


1. 医師の業務上、休みにくいから
医師の仕事は、「急に休む」ハードルが高い仕事です。
外来の予約枠、予定された手術、当直やオンコール。
手術や専門外来など、他医師が業務を引き継ぐことが難しい場合が多く、休みにくいのが現実。
2. 子育てへの理解が進まないから
医療現場では、少しずつ子育てへの理解は進んできています。
それでも、医療機関や診療科、上司によって温度差が大きいのが現実です。
「子どもがいるのは分かっているけど…」そんな前置きのあとに続く空気に、無言のプレッシャーを感じたことがある方もいるのではないでしょうか。
看護休暇など職場の制度が整っていても、実際に“使いやすいかどうか”は別問題。
このギャップが、急な発熱時の罪悪感や不安を、さらに大きくしてしまうのです。
3. 「仕事」と「母親」の板挟みになる瞬間だから
子どもが体調不良のとき、そばにいたい。それは母親として、ごく自然な感情です。
一方で、医師としての責任感も簡単には手放せません。
患者さんを診る責任、母親としての役割。
そのどちらも大切にしてきたからこそ「どちらを選んでも後ろめたい」気持ちになってしまいます。
この葛藤こそが、ママ医師をいちばん疲れさせる原因なのかもしれません。
【ケース別】突然の発熱、どう対応してきた?
1. 常勤医の場合


常勤として働いていた頃、子どもが急に発熱すると、まず確認していたのは「今日の業務は代わりがきくかどうか」でした。
自分と家族の業務内容を考慮し、どちらが休む選択を取りやすい日なのか?その場で判断する必要があります。
病棟管理など代わりがきく業務の日であれば、職場に連絡をして休む判断をしていました。
一方で、手術や外来、どうしても代診が立たない日は病児保育や病児シッターを利用して出勤。
ただし、空き状況や子どもの状態次第では必ずしも利用できるとは限らず、朝から調整に追われることも多々。
常勤だと勤務時間や日数が多くなる傾向があり、子供が保育園に登園できる日まで仕事と家庭の調整の連続。そこが最も大変でした。
日々の調整の難しさこそが、常勤ママ医師が抱える大きな負担だと感じています。
2. 非常勤医の場合


非常勤は「代わりがいない前提」で組まれていることも多く、常勤より休みにくいのが現状。
そのため、子どもが発熱して簡単に欠勤を選べず、シッターや病児保育、家族に保育を依頼して出勤するという選択をすることがほとんどでした。
職場によっては子連れ出勤が可能だったため、子連れで出勤することもしばしば。
「休む」よりも、「どうやって出勤するかを考える」それが非常勤勤務のリアルでした。
一方で、勤務を午前のみにしていたことで、勤務時間が短い分、日程そのものは常勤より調整しやすくなったと感じています。
病児保育やシッターへの依頼も短時間で済み、費用の負担も軽くなります。
そして複数医師で診療している医療機関の場合は、急な休みを取得できる場合もあるそう。
非常勤は急な休みは取得しにくいですが、労働時間が短くなり、仕事と育児のバランスを取りやすくなる側面もある。
そんな働き方だと感じています。
【やっておくと安心】事前準備


1. 休む基準を決める
子どもが急に体調を崩したとき、いちばん混乱するのは「今日は休むべき?出勤すべき?」という判断です。
この迷いを減らすために、自分なりの基準を事前に決めておくことがとても役立ちました。
たとえば、下記のような判断基準を設けていました。
・機嫌が悪い場合は仕事を休む
・軽症時は病児保育やシッターさんに預ける
・比較的休みやすい曜日や業務内容の日は休む
一口に「子供のお熱」と言っても、状況が様々で「仕事を休むべきか?」「誰かに預けるか?」毎回悩ましいものです。
このように、簡単な“プロトコール”を作っておくだけで、いざという時に慌てず、落ち着いて行動できます。
その場の感情だけで判断しなくて済むのも、大きなメリットです。
2. 信頼がおける病児保育・病児シッターを作る
急な発熱時に、すぐ頼れる預け先があると安心感がまったく違います。
可能であれば、病児保育は1か所、ベビーシッターさんは2-3人候補を持っておくのがおすすめです。
私の場合は、3人ほど信頼をおけるシッターさんがいることで、「誰か一人は空いているかもしれない」という状況を作っていました。
事前に利用しておくと、子どもも親も慣れておけるため、急な体調不良のときでもハードルが下がります。
3. 急な対応ができるよう家族と相談しておく
いざというときに一番頼りになり安心できるのは、やはり家族です。
ただし、事前に話し合いができていないと、その場での調整が大きなストレスになります。
・誰が休みやすいか
・誰が迎えに行くか
・保育中のご飯やおやつはどうするか
こうしたことを元気なときに共有しておくだけで、急な発熱時の動きは驚くほどスムーズになります。
「備えすぎかな?」と思うくらいが、実際にはちょうどいい。
それが、ママ医師として働き続けるための現実的な準備だと感じています。
それでも限界を感じたら…働き方を変えよう


働き方が変えると、同じ子どもの発熱でも、感じる負担は大きく変わります。
子育てへの理解が進んでいる職場で働けば、必要以上に自分を責めずに済みます。
子連れ出勤が可能だったり、内閣府のベビーシッター利用券を福利厚生として導入するなど、子育て支援の整った医療機関もあります。
また、雇用形態を変えたり、思い切って転職することで、急な発熱時の対応がぐっと楽になるケースもあります。
「今の環境で耐える」だけでなく、選択肢を持つことで、子どものお熱を落ち着いて受け止められるようになります。


まとめ
こどもの急な発熱は、どれだけ準備していても避けられません。
大切なのは、下記の3点です。
・一人で抱え込まないこと
・事前に備えておくこと
・そして、必要なら働き方を調整すること
完璧に回そうとしなくていい。「今日をどう乗り切るか」を積み重ねていけばいい。
この悩みは、あなただけのものではありません。
同じように迷いながら働いているママ医師が、たくさんいます。
少しでも、「私だけじゃなかった」と思えて明日の判断が楽になったら嬉しいです。













